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事務局:身延町教育委員会
山梨県南巨摩郡身延町常葉1093
2015年1月20日カテゴリー:

自然愛好部の紹介

 当部は、昭和62年2月、下部町中央公民館の呼びかけにより、山野草や野鳥観察を趣味とする数人で設立準備会を開き、同年4月14日、10人の賛同者を得て設立されました。山野草や野鳥に造詣が深く、部員であり顧問であり指導者でもあった、故日向富士雄先生の指導のもと、町内各所で観察会を開催しました。観察会は次第に遠方まで足を延ばすようになり、本栖湖畔でのコノハズク(木葉木菟)や富士ヶ嶺高原でのカッコウ(郭公)の声を聞く会、三郡橋付近での冬鳥観察会などを開いてきました。

 さらに、この近辺では見る機会が少ない、ミズバショウ(水芭蕉)、ザゼンソウ(坐禅草)、クマガイソウ(熊谷草)、セツブンソウ(節分草)、ユキワリソウ(雪割草)などの観察のため、長野県、埼玉県、新潟県も訪ねました。

 この間、山梨県においては環境保護政策を推し進め、県民の環境に対する意識啓発を図ってきましたが、当部はこの政策の一つである、環境アドバイザー派遣制度をたびたび活用し、八ヶ岳山麓、樹海、入笠山などでの自然学習教室や講演会などを開催してきました。

 こうした中、平成21年、長年の観察活動・学習活動・保護活動が認められ、自然環境功労者環境大臣表彰を受賞しました。

 現在も定期的な観察会のほか、アカショウビン(赤翡翠)の飛来数調査の協力、ブッポウソプ(仏法僧)の巣箱作りなどの活動を進めています。

 これまで、一般的に見ることができたミスミソウ(三角草)、東日本では希少種とされているササユリ(笹百合)、絶滅が心配されているカイコバイモ(甲斐小貝母)なども町内で観察することができましたが、近年はそれも叶わぬようになり淋しい限りです。

 一方、鳥類を見ても、夏鳥のジュウイチ(十一)やホトトギス(杜鵑・時鳥)、冬鳥のジョウビタキ(尉鶲)、ツグミ(鶫)などの飛来数も極端に減少していることもまた然りです。

 これに反し、飼鳥が野生化したガビチョウ(画眉鳥)は異常に繁殖し、文協だよりが発行される3月ころ聞くことができるウグイス(鴬)の初音が、そのけたたましい声に掻き消されてしまう恐れがあります。

 現在の部員数は63人の大所帯のため、観察会は大型バスを利用していますが、昨年8月の青梅市御岳山のレンゲショウマ(蓮華升麻)観察会には34人が参加し、この可憐な花の大群落に歓声を上げていましたが、車中での歓談も観察会の大きな楽しみの一つとなっています。

 今年はどこで、何を観察しようか。