* *
事務局:身延町教育委員会
山梨県南巨摩郡身延町常葉1093
2014年12月3日カテゴリー:

下部地区短歌部

 下部地区短歌部は、昭和59年からはじまり定例会を毎月8日と決め、現在15名の部員で正副部長、会計係を中心に学習をしています。

 部員も年毎に高齢化しておりますが、長年携わってこられた仲間には92歳という先輩も現在健康溌剌、作品の添削には切磋琢磨し先輩の助言等をいただき、見違えるほど立派な作品に仕上がります。学習後の作品を山梨日日新聞社へ投稿もしています。

 四季の移ろう様子、細かい生物の動き、植物の変化と短歌には限りがなく面白い場面もあり、生活の音さえも感じる心豊かな楽しいひとときを過ごしています。

 頭の体操、今は老化防止、仲間との絆の尊さを感じ、毎月1回の出会いを大切にしております。

 

   下部地区短歌部 小林 妙子

 

 

【短歌作品】

(太田敦視)

 ・がま口の鈴はチリリリと鳴りそむる吾が起き伏しの施設のベッド

 

(上田節子)

 ・霜月も半ばを過ぎて冬間近午後の陽射しは翳(かげ)り易(やす)かり

 

(狩野花江)

 ・すすき穂の白くなびける下陰に墓石のいくつ低くお座(わ)せり

 

(佐野幸江)

 ・朝霧の漸く晴れて紅葉なる山の端近く残月白し

 

(今村幸衛)

 ・歓声を上げつつ巡るサファリパーク身を厭ひ合ひ傘寿の友等と

 

(池川君子)

 ・笑顔にてリハビリ励む女のあり齢を問へば百二歳とふ

 

(小林保枝)

 ・赤が散り白き山茶花かぐわしく香りたたせて心安らふ

 

(遠藤良子)

 ・農仕舞労いくるる息等と行く信濃路の旅錦秋のなか

 

(小林秋枝)

 ・轟音に「アッ」と言う間に通り過ぐ強き磁力のリニアモーターカー

 

(保坂邦美)

 ・上沢寺の参道ゆけば弾けたる銀杏の実の激しく匂う

 

(伊藤千代子)

 ・百寿近き叔母を囲めるいとこ会製糸工場の青春を聞く

 

(渡辺熙子)

 ・庭隅ゆ見下ろす様に櫟(いちい)の木スックと立ちて威厳たもてり

 

(磯野 茂)

 ・この秋の紅葉称える歌多し吾は別離の歌またしても

 

(佐野美恵子)

 ・茶畑も田圃の整理も済みにけり残るはキウイの整枝となりぬ

 

(小林妙子)

 ・流れゆく川面に淀む落葉の渦揺らぎつつ只ただあそぶ