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事務局:身延町教育委員会
山梨県南巨摩郡身延町常葉1093
2014年12月3日カテゴリー:

中富いもじや短歌会

 「いもじや短歌会」の会員は7名です。

 私達は、日常の生活の中から、自然や生活、社会の出来事などに目を向けて、心に強く感じたことを掬(すく)い取って短歌に表しています。

 そして、地区や町の文化祭、高齢者作品展、教職員作品展などにも出品したり、「山日文芸」にも投稿、県の文化協会の作品募集にも応募したりして、豊かな老後生活を送っています。

 

【中富いもじや短歌会作品】

(寺沢・河西滋子)

 ・返り咲きのカーネーションは母の日に贈られしものまた一つ咲く

 ・父母を恋い古郷を思うプリズンのローンサムハヤトの悲しき運命(さだめ)

 

(手打沢・佐藤嘉代子)

 ・病ゆへに田畑を棄てるという夫を心寂しく諾ないにけり

 ・湧きいづるかなしみ覚ゆ夕闇に何処で鳴くや蜩のこえ

 

(手打沢・深沢千春)

 ・カーテンで仕切りし病室(へや)の片すみに夫と吾との憩のひと時

 ・声かけと仕草優しき看護なりナイチンゲールのごとく尊し

 

(手打沢・川口まつゑ)

 ・弦月を隠して花火開き散る天国の娘に届けと仰ぐ

 ・十年の過ぎしを藍の花に見る泉下の客となりし娘の顔

 

(手打沢・星野富代)

 ・散水のホースの先に七色の虹現われ今日の始まり

 ・流れ無き水辺の中で群れ遊ぶ白さぎの白ゆらり揺られて

 

(切石・深沢良子)

 ・水石に繁りて咲ける岩たばこ薄紫の仄かに香る

 ・雨上がり毛無の山に勇く雲の稜線包み昇りゆく見ゆ

 

(切石・深沢 明)

 ・只管に身をすりつけて卵うむ揚羽は新芽の燿やふ柚子に

 ・今年の茄子吾が丈遥かに越えて伸び彼岸すぐるも実の生りつづく